第9回 宿命と運命・美郷占い師
鑑定をしていて、時折、気になる質問をされることがあります。
それは「私の運命を変えてください」「私の運命はどうなりますか?」というように、“運命”についての質問です。確かに世間一般には「これが貴女の運命です」と言い切る占い師も多いよう。
しかし、私たちピュアハートの鑑定師は決してそのような言い方をすることはありません。なぜなら、「運命は変えられる」からです。運命が不動のものだとしたら、私たちはただ決められたレールの上だけを歩いていればいいことになり、生きていく上で悩んだり、発想を転換したり、思い切って行動したりといった行為はすべて無駄になってしまいます。それでは生まれてきた甲斐がありません。運命は自分が切り開き、変えていけるもの。自分自身で作り上げていくものなんです。
だから、何か不運の中にいるとき、思い通りに人生が進んでいかないとき、「これが私の運命なのだから仕方ない」とあきらめたりしてほしくありません。「この試練を乗り越え、運命を私の手で切り開いていこう」という気概を持ってほしいのです。それをサポートするのが、私たち鑑定師の役割だと思っています。
しかしながら、自分の力では変えられないものがあるのも事実。性別や生まれる国、年代、親、容姿などは天から与えられたもので、基本的には変えられません。これをスピリチュアルの世界では“宿命”と呼んでいます。人生において、宿命の占める割合は非常に大きく、不公平を感じることもあるでしょう。
けれど、こう考えてみてください。家を建てるために土地を与えられたとします。貴女の土地は周囲を建物に囲まれた、三角形の土地。このままでは狭く、使いづらく、日当たりの悪い家になってしまいます。そこでまず、家をL字型に建てることにしました。L字の空いた部分を中庭にしたことで、ガーデニングやバーベキューが楽しめます。また、リビングは二階に取り、トップライト(天窓)をつけることで、周囲を建物に囲まれていても明るいリビングが実現します。一階は暗くても差し支えない寝室や納戸、お風呂などに使うようにしました。
このように与えられた条件が悪くても、知恵と工夫次第で、快適な建物…ひいては運命が演出できるのです。逆に広々とした日当たりのよい土地を与えられても、間取りをよく考えず、使いづらい家にしてしまうように、恵まれた宿命を活かせないこともありがちです。
私たちに与えられた宿命は、土地のようなもの。そしてどんな家を建てるかが、運命なのです。自分の宿命を活かして、欠けている点を補い、優れている点を伸ばすような運命を構築していってください。